- 2010-03-10 (水) 3:08
- 南仏プロヴァンス生活
今日は、Aix-en-provence (エクサンプロヴァンス)とセザンヌについてのお話です。
エクスは、”小パリ”なんて言う人もいるように、高校や大学が多く、プロバンス地方の学問の中心地となっていますし、又、毎年夏には国際音楽祭が開かれ、世界中からたくさんの観光客が訪れる大変おしゃれな街として有名です。
ですが何と言っても、もここを訪れる人の一番の興味は、…………….
ポール・セザンヌのゆかりの地を訪ね歩くことだと思います。
そういう私はまだやった事がないのですが、セザンヌの生家を起点として、歩道に点在している、セザンヌ(Cézanne)のCの文字が刻印された、ブロンズ製のタイルを、順に追って進むと、15ヶ所のセザンヌゆかりの地を巡ることが出来るのだそうです。
私は、おしゃれなカフェが沢山並ぶメインストリート、”ミラボー通り”が好きです。樹齢500年とも言われるプラタナスの木々と、広い通りがとても良く合っていて、くつろぎます。
ここにセザンヌもよく通っていたと言われる、有名なカフェ ”Les Deux Garçon” (レ・ドゥ・ギャルソン)があるのですが、今でも、映画監督とか作家とかが見えているようですね。
写真はエクサンプロヴァンスのカフェです。

1792年とありますね~。

ところで、セザンヌと親友だった(過去形になるのですが)エミール・ゾラ(後に自然主義文学の作家として大成する)との逸話で、心温まる話を聞きました。
セザンヌの静物画には、たびたび“リンゴ”が描かれていますね。それも一個とかではなく、無造作にいくつも転がされたリンゴが描かれています。
どうしてリンゴが? その背景には、こんなエピソードがあったのです。
セザンヌはとても裕福な家庭に生まれます。ですが、ゾラは貧しく、加えて内気な性格や言葉のなまりもあり、そんな事が原因でよくいじめられました。
そんな時、いつもセザンヌが彼をかばってやったのだそうです。ですが今度は、ゾラをかばった為に、逆にセザンヌが、少年たちに殴られるという事件が起きます。
これに大変心を痛めたゾラは、次の日、カゴにいっぱいのリンゴを、セザンヌに贈りました。
絵にたびたびモチーフとしてのリンゴを描いたのは、この遠い日の出来事に由来することを、晩年になって、セザンヌ自身が語っているそうです。
ですが、二人の友情が終生続いたわけではなく、セザンヌはゾラと絶縁状態になります。(ですから冒頭で、親友だったと過去形で書きました。)
それでも、あの少年の日に、貧しかったゾラが、精一杯の感謝の気持ちを込めて、セザンヌに贈ったカゴいっぱいのリンゴ。
おそらくそれは買ったものではないでしょう。リンゴ畑に落ちていたものを拾ったのかもしれないし、どこからかこっそり持ってきたのかもしれません。
この話を聞いて私は、二人が最後まで親友でいて欲しかったな~と少し悲しくなりました。
これから先又、セザンヌが描いたリンゴを見ると、きっとゾラ少年の気持ちまでも伝わって、少しウルウルするかもしれません。
写真はエクサンプロヴァンスにあるミラボー通りの真ん中あたり、苔に覆われた有名な噴水です。

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